親指AFのメリットをご存知ですか?使い方と設定方法を紹介します!

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2018年10月1日

銀塩カメラが最盛期の頃と比べデジタルカメラが主流となった現在、カメラは飛躍的に進化し露出だけでなくオートフォーカス機能の性能もかなりよくなってきており、誰でも綺麗な写真を撮ることができるようになりました。しかしこのオートフォーカス機能も使い方次第でとても便利に感じたり逆に不便に感じたりすることがあります。 今回は一眼レフカメラの中上位機種に装備されているオートフォーカス機能の一つ「親指AF」の使い方をご紹介します。「親指AF」とはカメラのシャッターとは別にボディーの背面の右上あたり、つまりカメラを構えた時にグリップを握った右手親指がとどくあたりにある「AF-ON」ボタンを使ってピントを合わす方法です。つまり、ピントは「AF-ON」ボタンを右手親指で押して合わせ、シャッターボタンはシャッターをきる専用とするわけです。それぞれ役割分担をすることで、きれいにピントが合ったシャープな写真を撮影することができる便利な機能です。 プロカメラマンの9割以上が使っているこの「親指AF」は慣れるまで少し戸惑うかもしれません。しかし慣れてくると手放せない機能となること間違いなしです。是非活用してみてください。

#1 親指AFを使うべき撮影は?

「親指AF」は手放せないといいましたが、ではどんなシーンの撮影に向いているのでしょうか。実は、慣れてくるとどんなシーンでも便利に活用できるのです。つまりシーンによってAF-SとAF-C等のフォーカス機能の設定も切り替えなくて済むというメリットもあります。ここではそれぞれのシーンでの活用についてご紹介します。

  1. 動体撮影

スポーツシーンや野鳥等の動物の撮影のように被写体が動きの激しい場合の撮影では、ピントを固定することなく常に被写体の動きに合わせてピントを調整し続ける「AF-C(コンティニュアAFサーボ)」や「AIサーボ」といったモードでの撮影が一般的です。しかしこのモードでの撮影の場合常にシャッターボタンを半押し状態にしながら被写体を追っかけることになるため慣れていないとシャッターがきれたり半押し状態が解除されたりすることがあります。また被写体の前に物体が現れるとそちらにピントが合ってしまい被写体がボケたり、構図を変えるとピント位置がずれてしまい被写体にピントが合わなくなったりもします。

ところが「親指AF」モードは「AF—C」等の被写体追随機能との相性も良く、親指を押したり離したりすることで、撮りたい被写体にピントを合わせながら構図も変えて撮影ができます。また、被写体の前に物体が現れても避けてピントを合わすことで被写体へのピントがキープでき、通常の「AF-C」等のモードでは撮りにくい構図での撮影もできます。

 

  1. 風景撮影

三脚を使っての風景撮影等の止まっている被写体を撮影する場合、「AF-S」(シングルAFサーボ)や「ワンショットAF」というモードでの撮影が一般的ですが、このモードではシャッターを押すたびにカメラがピント設定を行います。しかし構図を変えるだけや「置きピン」のように「フォーカスロック」(ピントを固定)したい場合には煩わしくなります。

このような場合でも「親指AF」でピントを一度合わせておけば、構図を変えても「置きピン」したい場合でも「AF-ON」ボタンを押さない限りピント調整は作動しないし、微妙なピントのズレも解消できます。

 

  1. ポートレート

ポートレートのように同じ被写体を色々な構図で撮りたいときなどには「親指AF」モードはとても便利な機能となります。被写体に対し「親指AF」でピントを細かく合わせながら素早く構図も変えて撮影できるので撮影がとても楽になります。

#2 親指AF機能のデメリットに注意しましょう

これまで「親指AF」という機能の便利さばかりを紹介してきましたが、デメリットが全くないかというとそうでもありません。使い慣れればデメリットではなくなるかもしれませんが、ここでは初めて使われる方のために「親指AF」モードでのデメリットというか注意点について紹介します。

  1. カメラをしっかりとホールドできない

カメラの機種にもよりますが、自然にカメラを握った時に比べ「AF-ON」ボタンに親指を置くことで、握りが不自然となる場合があるため注意が必要です。

  1. カメラのフォーカスポイント(測距点位置)設定がしにくい

多くのメーカーの一眼レフカメラのフォーカスポイントは右手の親指を使って設定します。従って、「親指AF」機能を使うと、「フォーカスポイント設定」と「親指AF」を同じ親指で行うこととなり操作が煩雑になりシャッタータイミングを逃す可能性が高くなります。(ただし、最近の一眼レフには「3Dトラッキング」など追従AF設定があり「親指AF」ボタンを押し続けている間はフォーカスポイントが被写体を追従するため、フォーカスポイント設定をしなくても済む方法もあります。

 

  1. AEロック(露出ロック)との併用が厄介

一眼レフカメラの背面右上には「AF-ON」ボタンの他にAEロックのためのボタン(サブセレクター、AE-L・AF-L、*等)があります。そこでAEロック機能と親指AF機能を併用しようとするとAEロックボタンをホールド設定(AEロックボタンを一度押すと露出が固定されもう一度押さないと解除されない)にしたとしても、AEロックボタンと「AF-ON」ボタンを順番に押して露出とピントの固定をしなければならず、かなり複雑な操作をすることとなります。ただ露出自体は狙う被写体のどこに合わせるか撮る前に決まるでしょうから慣れれば十分対応できます。

  1. ブレやすい

シャッターボタンがシャッター専用となり半押しの必要がなくなるため、一気にシャッターを押すこととなりしっかり固定しておかないとブレやすくなります。(これも慣れだとは思いますが・・。)

#3 適切な設定と使い方

ここでは、親指AFを行う場合の適切な設定の仕方と使い方についてご紹介します。(今回はNikonのハイアマチュアモデルの一眼レフカメラで設定方法について紹介しますが、カメラのメーカーや機種によって名称や設定方法等に多少の違いがありますので、詳しくはマニュアルをご参照ください。)

 

  1. フォーカスモードを「AF-C(コンティニュアAFサーボ)」や「AIサーボ」といった動きのある被写体を撮影するのに適したモードに設定します。

  2. メニュー画面のカスタムメニューの「オートフォーカス」をクリックし「半押しAFレンズ駆動」を「OFF」にします。

  3. 露出もシャッターの半押しロックではなくAEロックボタンで行いたい場合は、「カスタムメニュー」の「AEロック・タイマー」をクリックし「半押しAEロック」を「OFF」、「動画」の「AE/AFロックボタンの機能」の「AE/AFロックボタン押し時の動作」を「AE-L(ホールド)」に設定すると、ピントも露出もカメラ背面のそれぞれのロックボタンで行うことができます。

#4 まとめ

今回は、「親指AF」という撮影方法についてご紹介しました。この方法は慣れてくるととても便利ですが、日頃から練習をしておかないといざという時に撮影した写真がピンボケだったり露出が合っていなかったりでショックを受けることにもなりかねません。是非、しっかり練習して慣れていただき「親指AF」の良さを体感してください。

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